人生を変えた名盤シリーズvol.1 『QUEENⅡ』
「あなたの人生を変えたのはどんな曲ですか?」
中学時代に音楽(特に洋楽)に目覚め、今日までに私の人生観を変えるほどの影響を受けたアルバムをご紹介していきたいと思います。
第1回目は洋楽に目覚めるきっかけとなったクイーンから、『QUEENⅡ』です。
一般的に日本でも馴染みの深いクイーンにおける名盤は、4作目の「オペラ座の夜」が挙げられることが多いと思いますが、個人的に一番衝撃を受けたのが2作目の『QUEENⅡ』です。
あのGuns N’ Rosesのボーカル、アクセル・ローズが「俺が死んだら棺桶にクイーンのセカンドアルバムを入れておいてくれ」と言っていたほどで、クイーンの最高傑作に挙げる人もいます。
こちらのアルバム、LPではA面がブライアン・メイが主体となったサイドホワイト、B面がフレディ・マーキュリーが主体となったサイドブラックの2部構成がされており、前者がブライアン・メイによるクイーンの幻想的な世界観が味わえるのに対し、後者はフレディ・マーキュリーが手がける、おどろおどろしくも聴き手をどんどん引き込んでしまう、混沌とした世界観が広げられています。例えるなら禁断の果実みたいなものでしょうか。
このアルバムは当時主流となっていたプログレッシブ・ロックの特徴である、コンセプトアルバムに影響を受けたと言われており、私がプログレの分野に興味を持ったきっかけともなった思い出深い作品です。
(プログレについては、また別の機会に述べさせていただきたいと思います。)
正直に申しますと、本作で衝撃を受けたのは圧倒的にサイドブラックです。
サイドブラックは6曲目『オウガバトル』の逆再生からいきなり始まり、息つく間も無くフレディの世界観が疾走していきます。
しかし、聴き手が置いていかれないように曲の構成が作られているのが伝わってくるため、独創性とエンターテイメント性の塩梅の取り方が、まさに天才的だと思います。
自身のお気に入りは7曲目の『フェアリー・フェラーの神業』です。当時この曲だけ何度も何度も繰り返し聴いていました。それほど曲の構成とコーラスのハーモニーが美しく、クイーンの持ち味である様式美の頂点と言っても過言ではないと思います。
フレディ・マーキュリーがリチャード・ダットの絵画『The Fairy Feller’s Master-Stroke(お伽の樵の入神の一撃)』に触発されて同名の曲を制作したとされており、目をつむるとまさに妖精や木こりなどが森に集まっている絵画の情景が浮かび上がってきます。
ご興味を持たれた方はぜひ絵画の方も調べていただけたらと思います。
その後もメドレー形式で曲が展開していき、最後はピアノのイントロが美しい、シングルカットもされた『輝ける7つの海』でこのアルバムは幕を閉じます。
『QUEENⅡ』からベストアルバムに収録されたのもこの曲のみで、やはりクイーン初期の様式美はアルバムを通して聴くことでしか分からないと思います。
日本がブレイクのきっかけとなったクイーン。何度も定期的にブームが起きていますが、もしベスト版のみしか聞いたことがないのでしたら、次はこちらのアルバムを聴くことを強くおすすめします。