バーのすすめ No.14 〜四季の移ろいを感じて〜
ショットバー「asha」
第14回目は、池袋駅西口から徒歩5分ほどの場所にある、ショットバー「asha(アシャ)」です。
雑居ビルをエレベーターで4階に上がり、正面のスライドドアを開けると、やや薄暗いですが、J-Rockがかかった良い感じの雰囲気の店内でした。
席数はカウンター席が6席ほどですが、間隔を広めに取っているため狭く感じません。
穏やかな雰囲気のマスターに注文を聞かれ、ジントニックを頼みました。
こちらのジントニックは、今が旬の金柑が底の方に入っており、ジントニックの甘みを金柑のほろ苦さが上手く中和していてとても美味しいです。
続いて2杯目は、これまた旬のザクロシロップを使用したジャックローズです。
見た目の美しさもさることながら、濃厚な舌触りで別世界へいざなう禁断の飲み物みたいな印象を受けました。
そして、いい感じで酔いが回ってきたところで、最後にガツンとスモーキーさを味わうため「ラフロイグ」のロックを頼みました。
薬品のような独特な香りと、一口含んだ瞬間に口の中いっぱいに広がるスモーキーさが強烈ですが、後味はしつこくなく、想像していたよりも飲みやすいです。
ラフロイグは、スモーキーなウイスキーの聖地アイラ島で1815年に創業しました。
“ライフロイグ”とは、”広い入り江の美しい窪地”を意味するゲール語で、その蒸留所の美しさはスコットランドでも1、2位を争うほどです。
また、20世紀初頭のアメリカ禁酒法時代には、薬用酒として輸出されていたとのことで、「ラフロイグ」の薬品のような香りが、薬用効果があるとアメリカ当局が認めたからとのことです。
この独特な香りゆえに、好き嫌いがはっきりと別れやすい銘柄ですが、私個人的にはかなり好みの味わいです。
ちなみにラフロイグはハイボールもおすすめみたいなので、今度試してみたいと思います。
ショットバー「asha」同じ銘柄でも季節によってレシピが異なるため、その時期ごとの違いを楽しむという、バーの嗜みのさらなる深淵に一歩近づかせていただきました。