王道だけどちゃんと聴いてなかったシリーズvol.6 『Char』
「日本が誇るギタリスト」
第6回目は、「Char」より、デビューアルバムの『Char』です。
この方の存在は知っていましたが、動画でちらほら観た程度で、今までちゃんと聴いたことはありませんでしたので、今回ちゃんと聴いてみようと思い記事にしました。
Charは、1955年東京都品川区出身で、8歳の頃からギターを始め、数々のコンテストに参加し、中学生の頃にプロデビューの話を持ちかけられるなど、その才能の片鱗は早い頃から芽生え始めています。
ヤードバーズやクリーム、ジェフ・ベック、ジミ・ヘンドリックスといったハードロックから影響を受けたとのことです。
その後わずか高校生の時にスタジオ・ミュージシャンとしての仕事を経験したあと、いくつかのバンドを結成・解散し、1976年に本作でソロ・デビューします。
曲目は以下の通り、全9曲となっています。
1.『SHININ’ YOU, SHININ’ DAY』
2.『かげろう』
3.『IT’S UP TO YOU』
4.『視線』
5.『NAVY BLUE』
6.『SMOKY』
7.『I’VE TRIED』
8.『空模様のかげんが悪くなる前に』
9.『朝』
まず冒頭1曲目の『SHININ’ YOU, SHININ’ DAY』から、いきなりゴリゴリのハードロックで来るのから思いきや、軽快なバッキングの曲調からスタートします。
しかし、油断しながら聴いていると、途中のギターソロでさすがとしか言えない確かな腕を披露しています。
その後もジャズ・ファンク・ソウル・バラード・ブルース・ロカビリー調など、多彩なレパートリーを披露し、舌を巻く対応力の幅広さを発揮しています。
このあたりはジェフ・ベックからの影響を見受けられると思いました。
そして、彼の代名詞でもあり私がCharを知るきっかけとなった曲『SMOKY』です。
テンションの高いイントロから始まり、エッジの効いたバッキングで展開していき、中間部では彼のキャリアで鍛え上げた激しいソロが存分に発揮されています。
目まぐるしい展開による熱量の高さが聴き手側に伝わってきます。
これがデビューアルバムというのが未だに信じられません。その演奏力はすでに完成の域にあり、当時は日本全国に相当な衝撃をもたらせたに違いないと想像できます。
「Char」未だに第一線で活動している彼は、日本が世界に誇るギタリストであり、ロックという大海の終わりなき探求者の一人でしょう。