たまにはBar以外もVol.9 『ぐんぼう』
「選ばれし鶏たち」
第9回目は、池袋駅西口から徒歩7分ほどの場所にある軍鶏(しゃも)料理専門店『ぐんぼう』です。
繁華街ど真ん中にある某雑居ビルの地下に降りていくと、そこには外観からは想像できない落ち着いた空間が広がっていました。
飲み物を頼んだ後、こちらのお通し2品が出てきました。
キャベツと野菜スティックを味噌ダレにつけて一口、さっぱりと新鮮な素材の旨味を堪能できます。
また、エビとマグロのぶつ切りもしっかりと味付けされていて、一品々にこだわって提供している姿勢が伝わります。
続いてこちらは「厚焼きたまご」です。
キメが細かくふわふわとした卵に、大根おろしを添えて食べると、まるで雲に浮いているような気分になります。
そしていよいよ焼き物です。
まずは「鳥ねぎ(ねぎま)」と「椎茸チーズささみ巻」です。
「鳥ねぎ(ねぎま)」は、プリッとした鶏肉と焦がしねぎが見事なコントラストを描いています。
そして個人的に今回のMVPと感じた「椎茸チーズささみ巻」です。
ささみとチーズが美味しいのはもちろんですが、以外にも私が苦手な椎茸が一番美味しいと感じました。
子供の頃から苦手な椎茸ですが、活かし方によってはこのように見事な繋ぎ役になるのですね。
続いて「つくね」です。
基本的に焼き鳥は塩派な私ですが、つくねだけは絶対にタレです。
ホクホクで身は柔らかく、何本でも食べられます。
またタレも癖になりそうな味で、おそらくはこのお店の秘伝であることは間違いないでしょう。
いよいよラストは「軍鶏のもも正肉」です。
まさに最後にふさわしい王者の貫禄といった食感で、非常に引き締まった身からは生命の躍動感が伝わります。
ちなみに軍鶏とは鶏の品種の一つで、主に闘鶏用に飼育される鶏です。軍鶏は体が小さく、頭に赤い房飾りがあり、胸には赤い斑点があるという特徴をしています。
闘鶏に使用される軍鶏は、動物保護の観点から現在では一部であり、肉用や卵用の鶏としても飼育されているそうです。
相手を倒すことを目的とした戦う鶏は、我々の舌を見事にノックダウンしてくれます。