究極のラーメンを求めて 第89回『らーめん まとい』
「時代と交差点の狭間で」

第89回目は、淡路町駅から徒歩2分ほどの場所にある『らーめん まとい』です。
この日は神保町のカフェで読書を勤しんだ後、帰り際に前々から気になっていたお店の看板が目に留まり、せっかくなので入店してみました。
店内はラーメン屋というより居酒屋のような雰囲気で、よくある下町の飲み屋も兼任しているラーメン屋さんといった佇まいでした。
入り口の券売機を眺めると、意外にメニューが豊富で驚かされました。
初めてということもあり、とりあえずは醤油ベースの「ネギらーめん」(¥800)と「卵かけごはん」(¥250)にしました。
現在の物価高の影響によりラーメン一杯¥1,000が当たり前の状況で、この立地でこの値段は非常に良心的です。

待つこと7分ほど、ネギたっぷりのオーソドックスな見た目の麺が届きました。
一口スープをすすると、どこか懐かしくほっこりとする醤油の香りが漂いました。
具材にはネギの他にメンマ・チャーシューと、無駄を削いだミニマルな作りです。
麺はスタンダードなストレート麺で、醤油スープとの相性バッチリです。

続いてこちらは「卵かけごはん」です。
初めて行く店は麺の量が分からないため、足りないときの保険としていつもサイドのご飯ものを頼みます。
卵を溶いて豪快にご飯にかけて食べると、安定の美味しさで安心しました。
また、味付け海苔を添えている心遣いが地味に嬉しいポイントでした。
『らーめん まとい』こちらのお店は大通りから外れているのにも関わらず10年以上続いているとのことから、その値段の手頃さも相まって人知れず愛されてきたことが伺えます。
平成から令和に切り替わり、時代の流れとともに昔の常識が通用しなくなってきています。
そんな時代の狭間を生き抜いたこちらのお店は、まるで人々が失いつつある大切なものを失くさないよう、裏路地の交差点にて人知れずひっそりと佇んでいます。
めちゃくちゃ美味しいというわけでは無いですが、どこか安心して懐かしい気持ちにさせられるそのお店は、また行きたいと思わせる不思議な魅力がありました。
次回また立ち寄った際は、塩スープの方を試してみたいと思います。