究極のラーメンを求めて 第61回『笠岡ラーメン 一元堂』
「親鶏の貫禄」
第61回目は、神保町駅から徒歩3分ほどの場所にある『笠岡ラーメン 一元堂』です。
いつものように神保町の行きつけの純喫茶にて読書を堪能したあと、一日の締めのお店を探していました。
カレーの街にも関わらずこの日は麺の気分であり、ちょうど駅前に美味しそうなラーメン屋さんを見つけたので入店してみました。
券売機を眺め、とりあえずこちらのおすすめっぽそうな「特製笠岡ラーメン(醤油) 親鳥の漬けたたき風飯セット」(¥1,490)の麺大盛り(¥150)を頼みました。
麺は細麺と太麺から選ぶことでき、私は細麺にしました。
また、たたき風飯は並・大・特盛りから選ぶことができ、いずれも同一料金という太っ腹ぶりです。(さすがに私は大にしておきました。)
待つこと5〜6分ほど、見るからに美味しそうなラーメンが届きました。
さっそく一口すすると、親鶏の出汁が染み渡った濃口醬油の深い味わいが広がりました。
麺にもこだわっていて、本場笠岡老舗の製麺所である丸新製麺を使用し、スープとの相性は言うまでもなくバツグンです。
また、特筆すべきはコリコリとした食感の親鶏チャーシューと大胆に切られた青葱です。
どちらも個性が強く、まるで縄張り争いかのように口の中で戦いを繰り広げます。
しかし、その戦いが良い化学反応を起こし、見事に麺を引き立たせています。
そして極めつけはサイドメニューのたたき飯です。
濃色の黄身を溶き、備え付けの特製にらダレと醬油を入れてよく混ぜると、主役を張れる実力を持った丼物に昇華していきます。
半分ほどご飯を食べたら、締めくくりにわさびと麺のスープを入れてお茶漬け風にして有終の美を飾って終幕です。
『笠岡ラーメン 一元堂』まるで一本の名作映画を観終わったかのような完璧な流れで、それらを支えているのはやはり親鶏の包容力があってこそと感じました。
次回はぜひ”塩”の方を試してみたいと思います。